現在、富士宮の小中学校の給食で飲まれている「ふじのくに富士山ミルク」
その牛乳が牛乳プラントの直売所で買えるようになったと、地元で話題になりました。
たかが学校給食の牛乳でしょ?なにそんなに騒いでるの?と思うかもしれませんが、富士宮にとってこれは歴史的なニュースなのです(大げさ?)
今回は「ふじのくに富士山ミルク」について解説したいと思います。
「ふじのくに富士山ミルク」ができるまで
富士山の麓にある静岡県富士宮市は酪農がとても盛んで、生乳生産量は県内の約半数をしめています。しかし富士宮市内には2018年まで牛乳プラントが無かったため、地元で出す学校給食用の牛乳が製造できずにいました。そのため給食で出す牛乳は他の市から仕入れていたそうです。
「富士宮の子供達に地元で採れた新鮮で美味しい牛乳を飲ませてあげたい」と地元の酪農家たちが結束し、2016年に「富士の国乳業」を設立しました。市の補助金、農林水産省が中心となった官民ファンドの出資を受け、約7億円をかけて富士宮市に牛乳の製造工場を作ったのです。
そこから2年の歳月を経て、2018年4月にようやく「ふじのくに富士山ミルク」が富士宮市内の全小・中学生77校の学校給食に供給されるようになりました。このニュースは静岡県内のニュースで取り上げられ、地元では話題となりました。
「ふじのくに富士山ミルク」の特徴とは?
「ふじのくに富士山ミルク」と他の牛乳の大きな違いは、牛乳の殺菌方法です。現在流通している多くの牛乳は、130℃で2秒殺菌する「高温短時間殺菌」という手法をとって殺菌されているのに対し、ふじのくに富士山ミルクは80℃で3分殺菌する「中温殺菌」という手法で殺菌をしています。
そうすることで、最も生乳に近く安全性の高い、牛乳本来の味を損なわない美味しい牛乳を作ることができるようになりました。
通常の殺菌方法より生産コストがかかるため、学校給食用の牛乳にはあまり使われなかった中温殺菌牛乳ですが、「子供達に富士宮の美味しい牛乳を飲んでもらいたい」という酪農家さんたちの志、感動します。
給食の牛乳を飲んだ子供達の感想は「今までの牛乳より2倍美味しく感じる」 「なめらかで美味しい」という、嬉しい感想だったようです。
使用する生乳の供給農家は「農場HACCP認証、またはしずおか農林水産物認証を取得しているか、関東生乳品質改善共励会上位者、牛舎環境が清潔な農場」という高い水準に合格した牧場のみに絞り込むそうです。
スタートこそ遅かったものの、現在は日本全国のどこよりも美味しい給食牛乳を飲めているであろう富士宮の子供達、羨ましすぎます。
「ふじのくに富士山ミルク」直売所オープン
富士宮に牛乳プラントができ、子供達の給食に安全で美味しい牛乳が提供できる様にはなりましたが、これまでは生産量が安定せず、基本的にスーパーなどではなかなか流通することが無かった「ふじのくに富士山ミルク」
そんな美味しい「ふじのくに富士山ミルク」がついに工場敷地内の直売所でも買えるようになりました!(2019年2月)
これまでも地元のJA直売所や、関係酪農所での販売はあったみたいですが…当たり前かもしれないけれど、牛乳プラント横の直売所が一番出来立ての美味しい牛乳が頂けるではありませんか!
牛乳の他にも「ふじのくにのむヨーグルト」の販売もあるようです。要チェックですね。
価格は以下の通りです。
・「ふじのくにのむヨーグルト」(150ml)…1本 120円
・「ふじのくにのむヨーグルト」(720ml)…1本 500円
・「牛乳とヨーグルトのセット」(箱入り)…1箱 2400円
※いずれも税込
住所:〒418-0112 富士宮市北山5205-10
TEL:0544-58-3685
営業時間:【火水】14:00〜17:00【日】9:00~17:00
定休日:月、木、金、土
今後の商品展開について
現在はまだ牛乳とヨーグルトのみの製造ですが、今後は他の乳製品の開発にも務めていくようです。また、牛乳の安定供給が進めば、地元スーパーでの購入も可能になってくるかもしれません。
高コストで安売りはできないけれど「美味しい地元ブランドの牛乳」という付加価値がついた美味しい牛乳になっていけばいいなと期待しております。